尾上塾では中学生で授業についていけない生徒には、数英を優先して取り組んでもらうことを提案しています。いくつか理由はあるのですが、1番の理由は
「数学と英語は積み上げ型の教科であり、学校の授業を理解できることが最重要」
と考えているからです。
社会、理科、国語はほとんどが分野ごとの学習になります。例えば縄文時代を理解していなくても江戸時代の勉強に支障はありません。ましてや分野が違う地理や公民の理解には全くといって言いほど影響はありません。中学生の理社はさまざまな分野を扱うため覚えることが多いのですが、逆にいえば分野ごとに分かれているため勉強がしやすく、覚えることで正解できる問題も多く出題されます。やる気さえ出せば今日から授業をきけるし、テスト勉強もしやすい教科だと考えます(理科の一部計算問題は中1の方程式、比、濃度の理解が必要です)。
数学、英語は分野ごとの学習だけでは難しい教科です。例えば、数学の関数分野を理解する際には、式の計算ルールが分かり、方程式が解ける必要があります。入試問題では意図的に複数分野をまたいだ問題が出題されます。英語の長文問題は、1年生~3年生で学んだ文法や単語がごちゃまぜに出題されるようなものです。三単現のsなのか複数形のsなのか程度ならば誤読しても読めるでしょうが、接続詞のwhatを疑問詞だと勘違いしてしまうと理解は難しくなります。
積み上げ型の教科は時間がかかります。特に現在の中学英語は密度が濃く、授業が分からない生徒にとって、整理して理解する事項、覚える事項が大量にあります。一気に覚えたことは忘れやすいため、コツコツ理解と暗記を繰り返して授業に追いつくしかありません。積み上げ型教科は高校生になっても続きます。高校1年生で数学英語が理解できない場合、中学生の内容から遡って勉強しなおす必要がでてきます。結局いつかは取りくまなければならないのですから、最優先で取り組むのが良いと思うのです。
現実的な話をすれば、高校入試直前で苦手な数英の得点を伸ばすことはかなり難しいです。小手先の対策では得点できないのが積み上げ型の教科です。大学入試でまともな大学は必ず英語が受験科目にあります。国立大学を志望するならば文系でも数学は必須です。大学入試は推薦が増え一般入試は半数になっているとききます。今後はますます内申点の重要性が増していくことでしょう。中学生の数英で躓いて、高校の定期テストがボロボロでは目もあてられません。今日から頑張りましょう。
最後に中学生で数英が苦手な生徒でも使える基礎レベルのオススメ教材を紹介します。
「やさしく学ぶ数学リピートプリント」著:西尾義典
「やさしく学ぶ英語リピートプリント」著:中島勝利
学校のワークが難しい生徒にとって、基礎からの説明が詳しくて使いやすいと思います。授業レベルを穴埋めで書き込むことで理解しやすくなっており、次ページのリピート問題で定着がはかれます。手ごろな問題数と難易度に厳選されているため、比較的早いスピードで進めることができて復習には最適です。リピート問題は全問正解できるように繰り返すと効果的です。期末テスト対策のページはリピート問題よりも少し難しめですが、無理なく取り組める良い問題がそろっていると思います。
出題範囲を理解して解けるようになれば、定期テストで30点以上を取れるでしょう。尾上塾では適宜解説やプラスαを余白に書き込んでもらい、宿題としてリピートを問題を解きなおしてもらうことで定着をはかっています。
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